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セミナーレポート

『ドラッカーの言葉から学ぶ「迷い」を「課題」に変える方法』セミナーレポート

更新:2022.10.28

10月19日(水)『ドラッカーの言葉から学ぶ「迷い」を「課題」に変える方法』というテーマで、経営者を対象にオンラインセミナーが行われました。

『経営者の条件』、成果を上げる能力は習得できる!

ドラッカー学会理事としてご活躍の和光良一様に、『ドラッカーの言葉から考える「迷い」を「課題」に変える』をテーマでご講演頂いた。ご自身が社長に就任された当時、社長として迷い、悩む日々が続いた。そんな中でドラッカー読書会に出会い、転機が訪れた。今回のセミナーでは、ドラッカーとの出会い、ご自身で考え抜かれたこと、実際に経験・実践されたことをたっぷりとお話し頂いた。ご自身が、ドラッカーの考えに触れたのは、P.F.ドラッカー著『経営者の条件』との出会いがきっかけ。本書では、成果を上げる能力は習得でき、5つの習慣的な能力とし、5つの能力が重要と書かれている。①汝の時間を知れ、②どのような貢献ができるか、③強みを生かす、④もっとも重要なことに集中する、⑤意思決定を行う。これら5つの能力を踏まえ、ご自身の具体的な事例を用いて解説頂いた。

ドラッカーとコーチング

ご自身がドラッカー読書会に参加する中で、この読書会がコーチングと共通点があると感じられた。「質問」されることで思考が活性化する、「これでいいんだ」と思える、背中を押してくれる!仲間からのフィードバックをもらえる、といったことが、共感、承認、フィードバック等のコーチングスキルに共通していた。ドラッガーも、「経営者に贈る5つの質問」として、経営者に対して「質問」をすることで、経営者の思考を活性化し、行動を促している。これらコーチングとしての共通点を示しながら、ご自身の経験を踏まえ、経営者に対しての問い、部下に対してのコーチングについて、分かり易く丁寧に解説して頂いた。
様々な具体的事例を示しながら、経営者の会社経営、部下へのコミュニケーション等あらゆることに、コーチングが効果的であることを、改めて感じさせてくれるセミナーだった。

参加者の方から

  • 和光さんの会社で実践されたお話しなどもあり、為になるお話しでした。色々な偉人の方がいらっしゃる中、ドラッカーさんに1番の惹かれるところ、魅力はどんなところだろうと思いながらお聞きしていました。また楽しみにしています。
  • 質問の回答で、「社員が変わったというより、自分が変わったのです」というのが、とても深いと思いました。ありがとうございました。
  • 改めて、 貢献に焦点を合わせる に注力して、クライアントとさまざまな場面で話をしようと思いました。
  • 目標を決めることが経営者の仕事であること。 やらないことを決める、という視点が経営者にとってとても大きな決断ではあるが、非常に大切な決定事項であることがわかりました。
  • コーチングを使う事で社員や部下の方から、自立性を持って考えより良い案が出る。という事でした。 言われた事をそのまま行動に出来る人が少なくなってきているが、その分自分が考えて口に出した事は行動に繋がりやすい、と解りました。

といった声をいただきました。

Q&A

これまでに「経営者の条件」は何回くらい読みましたか?

何を以って「読む」とするかによって大分変ります。全ページを朗読したことがあるかと言われると、それはありません。0回です。全ページに通しで目を通した回数だとすると、何百回かになります。目を通すくらいの読み方であれば最低でも4~5百回は読んでます。月に一回、一章ずつ8ヵ月かけて行う読書会のような熟読なら、毎年1サイクル以上、多い年は3サイクルくらいやってたので、この15年間で最低20回以上は読んでいす。

「汝の時間を知れ」の時間とは何の時間のことですか?

自分の時間の使い方のことです。1日24時間なのは誰でも知っていますが、その24時間をどのように使っているかは、意外と分かっていません。ドラッカーさんは記憶はあてにならないと言っています。ですので記録を取ります。自分の活動を観察して記録します。自分が実現したい何かを実現させるために、どれだけ時間を使っているかという事を知るために記録を取ります。

実際にドラッカーを会社に取り入れてから、どのくらいの期間で変化が見えてきましたか?

変わっていないところに着目すれば、未だに変化はありませんし、変わった所に着目すれば、社長である私が取り入れた瞬間に変化が起きています。具体的には、赤字製品の撤退は社長の仕事だと知って、自ら動いた結果、赤字製品の製造に費やしていた製造部員の活動が、生産方式をセル生産に移行させるための活動に費やせるようになりました。大きな変化です。社長が変われば会社は変わります。

和光さんのあのお写真のお子様が4代目ですか?

違うと思います。私の先代も私に継がせることを目指しては居ませんでした。息子たちが企業家になりたいのであれば、自ら起業すれば良いと思います。その方がやりやすい時代になっています。アイデアと力量とやる気さえあれば、資金は銀行やクラファンで集められます。事業を継続させるために後継者が必要だとしたら、やりたい人にお任せします。社長をやりたい人がいないような会社なら、無くした方が良いと思います。

俺はいいから部下にコーチングをやってくれ、という経営者にコーチングを受けてもらうために、どんな言葉が響くと思いますか?

そんな会社潰れてしまえ、と思っていたので初めて真剣に考えました。まず、どのように伝えるかを考える前に、そういう社長の部下にコーチングをした場合に、どういうことになるかを考えますと、かなりの高確率でその部下は会社を辞める方向に進んでいくと思います。だから、私だったら反射的に「え?良いんですか?やめられちゃいますよ」と言ってしまうと思います。後は、それを相手が理解できるかどうかですが、それも相手によります。例えば、脱サラして起業した経営者であれば、勤め人の気持ちも思い出せるはずなので、その人が務めていた時に、コーチングを受けたらどうなったか考えて貰うと良いと思います。コーチングはコントロールの道具ではなく、自発性を引き出すものなので、その会社で自発性を発揮できていない人にコーチングをすると、「ああ、ここは僕の居場所じゃなかったんだ」と気づくだけだと思います。その様な場所にしてしまっている責任は社長にあるし、それを変えられるのも社長だけです。あるいは、コストパフォーマンスに着目するという手もあります。社長が変われば会社が変わります。社長がコーチングを受けることで、全社員にコーチングをする以上の効果が現れます。逆に全社員にコーチングをして全員が変わっても、社長だけ変わっていなかったら会社は変わらないし、そんな会社には魅力がないので部下は出て行ってしまいます。これは、脅しでも何でもなく厳正なる事実なので、まずそれをコーチが理解しておくことが大事だと思います。この事実を理解した上で、「俺は良いから部下にコーチングしてくれ」という社長は居ないと思います。どのように伝えるかは、相手によって異なります。

私のクライアントの一つは、製造業者で、サプライチェーンの真ん中で、最終製品ではないので、なかなか顧客への貢献が目に見えないため、マネージャーにより自主性や士気に差がでます。また、事務部門にとり、顧客は社内であったりしますが、なかなか顧客への成果意識を根付かせるのに上司は苦労されています。顧客への貢献に焦点を合わせるために、和光さんなりの工夫や取り組みがあればご教示いただけると嬉しいです。

弊社も製造業ですので、そういった苦労はよく理解できます。そして、私も十分に出来ていないところでありますので、あまり参考になるか分かりませんが、工夫していることは幾つかあります。サービス業、接客業であればお客様の笑顔を目で見、「ありがとう」という言葉を直接聞くこともできますので、製造業などに比べれば成果に意識が向けやすいと思います。つまり、喜んでいる顧客を見れないのが問題です。それなので、私は顧客からフィードバックを貰った時は、なるべく大勢の社員に対してその話をするようにしています。例えば、月に一回全社員がお昼休みの後の時間に集まって朝礼ならぬ昼礼を行います。その場で、毎回社長が話す時間があるので、例えば「先日お客様の所に行ったときこういう話を聞いた」という話をします。「日興の製品は壊れなくて助かってる」とか「この製品のお陰で助かった」そういうお話をします。後は、最終製品を目に見えるようにする、というのも良いと思います。弊社は組立業なので、多くの部品を協力会社さんから購入しています。そうすると、時々、品質とか納期のことで協力会社さんと折衝する必要があります。そんな時、私は必ず最終製品を持っていきます。そして、その製品の用途、誰がどう使って、どうなるのか、という説明をします。これをするだけで、その後のコミュニケーションが円滑になります。貢献に焦点をあわせることは、コミュニケーションの前提なのです。成果は組織の外で起きている変化なので、基本的に組織の中にいる限り成果を目にすることはできません。従って、その成果を如何に目に見える形にするか、イメージできるようにするか、という事になります。

以上

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